- 自宅で働いてるフリーランスだと、生活費を経費にできるらしい
- 電気代とかネット代とか、どれが対象になるんだろ?
- ちなみに、いくらくらい税金が減るのか知りたい
自宅を事務所として使っている個人事業主なら、生活費の一部を経費にできます。
それが「家事按分」で、たとえば電気代の一部は仕事で使っていると主張できるんですね。
そこで今回は、在宅フリーランスエンジニアのぼくが家事按分してみた計算の実例をご紹介します。
経理ソフトへの入力作業で、時給6,000円ほどの効果があったので、3分ほどお付き合いください。
家事按分の代表格は「家賃・電気料金・ネット代・スマホ代」の4つ
生活費の「一部」を経費にできる家事按分
自宅でパソコン仕事をしている個人事業主なら
- 家賃
- 電気料金
- インターネット代
- スマホ代
あたりを経費にできます。
なぜなら、仕事に必要な設備だからです。
たとえば自宅のほかに事務所を持っていれば、そこの電気代などは当然仕事のための出費ですよね。
おなじく、自宅を事務所代わりにしているなら、自宅の電気代も仕事のためといえます。
ただし、自宅は生活する場所でもあるので、電気代などを100%経費扱いにするのはNG行為。
仕事分と生活分で「按分」する必要があります。
「時間」や「面積」で割合を決める
生活費を仕事分・生活分でどうやって分けるかというと、使用時間や使用面積で計算することができます。
家賃 | 面積 |
電気料金 | 時間 |
インターネット代 | 時間・日数 |
スマホ代 | 時間・日数 |
通信費は日数計算もアリ
ぼくが調べたところでは、通信費は時間だけでなく日数でも計算OKのようです。
週に5日が営業日だとすると、5日 / 7日 でおよそ70%を経費にできそうですね。
ただ、平日は24時間まるまる仕事でインターネットを使っているのかというと「?」なので、ぼくとしては時間計算が無難な気がします。
賃貸はOKだけど、持ち家なら要注意
家賃については、アパートなどの賃料は経費にできますが、持ち家の住宅ローン(元本)は家事按分の対象外とのこと。
その代わり
- 住宅ローンの金利部分
- 固定資産税
- 火災保険料
- 建物の減価償却費
などは対象にできるようです。
ですが
- 「居住用」として自宅が登録されているか
- 「事業用」で登記できる地域かどうか
なども関係してくるようで、下手に経費申請すると住宅ローン控除が受けられなくなる場合もあるとか。
10年間の住宅ローン控除があるうちは、経費にしない方が安全なようです。
家事按分で税金が6,000円安くなった僕の実例
対象にしたのは電気料金・ネット代・スマホ代の3つ
ぼくの場合は、持ち家で住宅ローン減税もあるので、住居費の経費可はやめました。
仮にがんばって経費にしても、仕事場として使っているスペースは半畳ほどで、家事按分したところで1%にしかなりません(笑)
なので、のこりの電気料金や通信費だけ経費化することにしました。
時間の35%で家事按分してみることに
仕事分と生活分の割合は、働いている時間をベースに計算することにしました。
(通信費は日数でも計算可能ですが、なんか腑に落ちなかったので…)
仕事の時間としては、ざっくり
- 月~金:10時間
- 土日:5時間
なので、平均すると1日あたり8時間30分(24時間の35%)が労働時間となります。
つぎに、本格的に在宅ワークになった2019年秋の生活費(10月~12月の合計)がこちら。
電気料金 | 35,673円 |
インターネット代 | 18,840円 |
スマホ代 | 1,651円 |
合計 | 56,164円 |
以上から、約56,000円 × 35% = 2万円弱 を経費にすることにしました。
経費から節税額を算出
さいごに、2万円弱の経費でいくら税金が減るのかを計算していきます。
勘違いしがちですが、2万円弱 = 節税額 ではないんですよね。
まずは「所得税」の税率を調べます。
所得(売上 – 経費や控除) | 税率 | 控除額 |
195万円まで | 5% | 0円 |
330万円まで | 10% | 97,500円 |
695万円まで | 20% | 427,500円 |
900万円まで | 23% | 636,000円 |
1,800万円まで | 33% | 1,536,000円 |
4,000万円まで | 40% | 2,796,000円 |
それ以上 | 45% | 4,796,000円 |
参考:所得税の税率|国税庁
ぼくの場合はざっくり所得税率:20%でした。
さらに「住民税」もあるのですが、こちらは一律10%。
ということで、合計30%がぼくの税率と分かりました。
そして、家事按分した経費が2万円弱だったので
2万円弱 × 30% = 約6,000円
の税金を払わなくて済んだ計算になります。
仕事で必要な電気料金やネット代が3割引になった形ですね。
注意:実は所得税はシンプルな掛け算ではない
上記のケースでは 所得税率:20% で計算していますが、厳密にいうと20%ではありません。
なぜなら、所得税の税率は
- 195万円までは5%
- 195万円から330万円までの分に対してのみ10%
- 330万円から695万円までの分に対してのみ20%
と、各段階ごとに掛け算して合計を出すためです。
文章だと難しいので、こちらの図解がとても分かりやすいです。
>>参考記事:【図解】所得税の累進課税の仕組みを見てわかるように図解しました|EUREKAPU
まとめ
- 家事按分の代表格は「家賃・電気料金・ネット代・スマホ代」の4つ
- 賃貸は大丈夫だけど、持ち家なら住居費の経費化は要注意
- いくら節税できるかは「生活費 × 労働時間の割合 × 税率」で計算
会計ソフトに入力していくだけで、生活費の一部が割引になります。
在宅自営業の方はぜひお試しください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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