- 経理の知識ゼロのまま個人事業主になった
- 記帳とか確定申告とか、何から手を付ければいいの?
- まずは脱税にならない最低限やるべきことを知りたい
そんなあなたに読んでもらいたい記事です。
- 経理初心者の個人事業主が最低限やらないとマズい3つのこと
- 経理処理の第一歩。まず準備するのは2つだけ
8ヶ月前に脱サラして個人事業主になった僕は、「仕訳」のことを「仕分け」だと思っていた経理ド素人でした。
そこで
- 市の経理セミナーに参加
- 市の創業相談会で経理相談
- 青色申告会の確定申告セミナーに参加
- 税務署の相談窓口で相談
- 税理士さんに質問
- ネットでひたすら調べる
- 人生初の確定申告
を行ったところ、ようやく最低限の経理知識が身についたと思うので、「経理が分からなすぎる…」という初心者の方向けに「用語の解説とかではなく、実際にやるべきことの全体像」をお伝えできればと思います。
「これさえやっとけば、とりあえず脱税にはならない」という最低ラインをおさえられると思いますので、3分ほどお付き合いください。
経理初心者の個人事業主が最低限やらないとマズい3つのこと
それは
- 事業用の家計簿をつける
- 売上根拠となる書類を残しておく
- 年に1度まとめて税務署に売上報告
です。
その1:事業用の家計簿をつける
生活用の家計簿はつけるかどうか自由ですが、個人事業主として事業をはじめたなら「事業用の家計簿」をつける義務を負います。
第二百三十二条 その年において不動産所得、事業所得若しくは山林所得を生ずべき業務を行う居住者又は第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に定める国内源泉所得に係るこれらの業務を行う非居住者(青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている者を除く。)は、財務省令で定めるところにより、帳簿を備え付けてこれにこれらの所得を生ずべき業務に係るその年の取引(恒久的施設を有する非居住者にあつては、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に該当するものを含む。)のうち総収入金額及び必要経費に関する事項を財務省令で定める簡易な方法により記録し、かつ、当該帳簿(その年においてこれらの業務に関して作成したその他の帳簿及びこれらの業務に関して作成し、又は受領した財務省令で定める書類を含む。次項において同じ。)を保存しなければならない。
引用:所得税法232条|e-Gov
どうして事業用の家計簿をつけるのかというと、国に売上を報告して、儲けに応じた税金を納めるためです。
端的にいうと、経理の目的 = 納税 ですね。
儲けがいくらだったかによって税額が決まるのですが、「1年間で500万の儲けでした」だとさすがにドンブリ過ぎるので、明細を付けましょうというわけです。
その2:売上根拠となる書類を残しておく
事業用の家計簿をつくって「月々30万円の儲けでした」と見える化できたら、その売上の根拠となる書類を保管しておく義務もあります。
第百二条 法第二百三十二条第一項(事業所得等を有する者の帳簿書類の備付け等)に規定する居住者又は非居住者(第四項において「居住者等」という。)は、帳簿を備え、その適用を受ける年分の不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額が正確に計算できるように、これらの所得を生ずべき業務に係るその年の取引でこれらの所得に係る総収入金額及び必要経費に関する事項を、次項に規定する記録の方法に従い、整然と、かつ、明瞭に記録しなければならない。
3 法第二百三十二条第一項に規定する財務省令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
引用:所得税法施行規則102条|e-Gov
一 その年の決算に関して作成した棚卸表その他の書類
二 その年において法第二百三十二条第一項に規定する業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書その他これらに類する書類(自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものは、当該写しを含む。)
具体的な書類は
- 見積書
- 発注書
- 契約書
- 納品書
- 請求書
といった、仕事をして売上を得るなかで登場する書類たちです。
その3:年に1度まとめて税務署に売上報告
事業用の家計簿をつけて、根拠となる書類も保管したら、年に1度まとめて税務署に売上を報告します。いわゆる確定申告です。
税務署はこの売上報告をもとに所得税などを計算します。計算がおわって税金を納めると、一連の経理処理が完了となります。
ちなみに、確定申告では1年間の数字をまとめて専用テンプレートに書いて提出するので、つくってきた事業用の家計簿や保管書類をそのまま出したりはしません。
でも出さないからといって用意していないと、もし税務署が調査に来たときにアウトです。
さらにやっておくと良いこと:経費をつける
以上が脱税しない最低ラインですが、もう1つやっておくと良いのが「経費計上」です。
会社員でも、仕事で乗った電車代を立て替えたら、あとで会社に交通費精算すると戻ってきますよね。
個人事業主も同じで、仕事上必要なので使ったお金を「経費」として事業用の家計簿につけておくことで、納める税金が安くなります。
※正確には、税金計算の対象となる「儲け」から経費の分だけ引いてくれます。
経費の扱いにするにはやっぱり証拠が必要なので、仕事に関係するレシートや領収書も保管しておくのがおすすめです。
経理処理の第一歩。まず準備するのは2つだけ
やるべき全体像が分かったところで、具体的に何から手を付ければよいかというと、まずは次の2つを用意すればOKです。
- 事業用の銀行口座
- 会計ソフト
準備1:事業用の銀行口座
プライベートで使っている銀行口座とは別に、事業用の銀行口座を用意するのがおすすめです。
なぜなら、事業用の家計簿をつけるのがシンプルになり間違いが無くなるからです。
1つの銀行口座を事業とプライベート共用でつかうことも可能ですが、そうすると「これは仕事、これはプライベート」と明細を見ながら分類することになります。
分類自体はたいした手間ではなく、後述の会計ソフトでポチポチ操作するだけですが、問題は分類をミスったとき。確定申告で1年分の計算をしたときに、なぜか残高が合わないとなった場合に、いままで分類したのを一通り見直すことになり骨が折れます。
これが経費などの出費なら申告がもれても問題ありませんが、入金をつけ忘れたとなると、本来納めるべき税金を納めなかったことになり問題です。
はじめから事業用の銀行口座を用意しておけば、そこの入金は100%事業用となり分類不要なので、そもそもミスが起きなくなります。
その他メリット・デメリットなどは 個人事業主の常識? 事業用と生活用で口座を分けるのは必須か任意か で考察していますので、よろしければご覧ください。
準備2:会計ソフト
もう1つ用意するのが会計ソフトです。
Excelや紙でもやってやれなくはないそうですが、青色申告会のセミナーで記帳ルールや転記の多さを聞いたときに「これはムリだ」と思いました。でも会計ソフトを使えば、経理作業が圧倒的に楽で確実です。
この記事を書いている2019年現在では、家電量販店で売っているパソコンソフトよりも「ネットに繋げばすぐに使える」クラウドソフトが主流で、具体的には
が3強です。
クラウドソフトも有料ではありますが、月額1,000円程度で常に最新版が利用できるうえ経費扱いになるので、手作業で経理計算する労力をかんがえれば完全にモトが取れます。
3つの会計ソフトの機能面はそれほど大差ないので、おためしプランで触ってみて好きなのを選べばOKです。
僕はもともと生活用の家計簿ソフトで MoneyForward を使っているので、銀行口座やクレジットカードの連携がそのまま共有できるMoneyForwardクラウドを使っています。
>>関連記事:家計簿が続かないなら「自動家計簿」におまかせ【習慣も根性も不要】
まとめ
- 個人事業主にとっての最低限の経理は「事業用の家計簿をつける」「売上の証拠書類を保存」「年に1度の確定申告」の3つ
- 最初に用意するものは「事業用の銀行口座」「会計ソフト」の2つ
なお、本記事は「開業届」を出して個人事業主になっていることを前提で書いています。
開業届を出すと、税金がお得になる「青色申告」が使えるようになるので、これからの場合は 【実体験】起業から1ヶ月ルールの「開業届」を開業前に提出してきた話 もご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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