メルマガ配信に挑戦したいけど、配信ツールに毎月お金を払うのはちょっと・・・という方に提案です。
実はメルマガ配信の仕組みって意外とシンプルなので、自分でも作れちゃうんですね。
自作ツールなら、初期費用・月々の利用料ともにゼロ円。メルマガは継続して配信するものなので、永く使うほど効いてきます。
とはいえメルマガ本文を書くだけでも大変なのに、仕組みまで作るとなると手間と時間が必須。
そこで本記事では、クリック操作+ほぼコピペで完成するように作り方をまとめました。なるべく簡単に作れるよう、可能な限りシンプルな仕組みにしています。
細々とステップメールを配信していたぼくも、自作に切り替えたことで月々2,480円かかっていたメルマガ配信サービスを解約できました。今後の継続的なコスト削減になるので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
自作ツールでできること・無理なこと
できること:無料でステップメールを配信
メルマガ配信サービスは世の中にたくさんありますが、無料サービスだと基本的にステップメール機能は使えないことが多いです。
ステップメールとは、1通目・2通目・3通目・・・とあらかじめメールを作っておいて、購読してくれた読者に1通目から順番に自動配信してくれる機能のこと。このステップメールが使えないと、メルマガを書く → 配信する を毎回手作業でやることになり大変です。
その点自作ツールでは、このステップメール機能に特化しているのでもちろん利用できます。
その他、次メリットがあります。
- 無料なのに広告が入らない
- 独自ドメインのメールアドレスから配信できる
- Excelの操作感でメルマガ作成や読者管理ができる
無理なこと:1日100通が上限
無料ツールを組み合わせてメルマガ配信の仕組みを作りますが、1日に送れるメール数は100通までという上限があります。
これは「読者登録の通知メール」などメルマガ配信以外のモノも数に含めるので、新規読者が毎日10人増え続けるような規模のメルマガには向きません。
一方ステップメールの数にもよりますが、毎日2~3人ペースの新規読者であれば間に合うかと思います。
その他、次のデメリットがあります。
- 配信時刻の設定は「12時~13時」みたいに割とアバウト
- クリック解析、ポイント付与、メルマガ分岐といった高度な機能はない
- メルマガの一括送信は非対応(ステップメールに特化)
※一括配信は機能としては不可ですが、普通のGmailの画面を開いてBCCに読者アドレスをコピペすれば送れます
実はある。その他の無料メルマガ配信ツールについて
実は自作ツールが完成してから知ったのですが、無料でもステップメールが使えるメルマガサービスってあるんですね^^;
それがこちら。
とはいえ無料プランには制限がつきもので、比較するとこんな感じです。
める配くん | Benchmark Email | 自作ツール | |
---|---|---|---|
登録読者の上限 | 120名 | 500名 | 約18,000名 ※スプレッドシートの 行数上限まで |
1日あたりの配信上限 | なし | なし | 約100通 |
月あたりの配信上限 | 500通 | 3,500通 | 約3,000通 |
無料プランの有効期限 | なし | なし | なし |
テキストメール | ○ | ✕ | ○ |
HTMLメール | ○ | ○ | ✕ |
わざわざ自作しなくても上記2サービスで十分な気もしますが、将来的に読者数が収まらない!という方は引き続きつくり方をご覧ください。
ほぼコピペ。ステップメール配信ツールの作り方
それでは、次の3ステップで実際に作っていきましょう。
- スプレッドシートをコピー
- フォームをコピー
- 初期設定&動作確認
操作はすべてパソコンを前提にしていますので、スマホだと厳しいかもです。
つくるのに1時間程かかると思うので、時間を確保してから挑戦してみてください。
また最後の動作テストは今日・明日と2日間に分けて行います。
必要なモノ:GoogleアカウントがあればOK
はじめに用意するモノとして、Googleの無料ツールを組み合わせて作るため Googleアカウント(Gmailアドレス)が必要です。
まだGoogleアカウントをお持ちでない場合は Gmailアドレスの作り方。パソコン・スマホそれぞれ解説【複数作成も可】 を参考にご用意ください。
ステップ1:スプレッドシートをコピー
- スプレッドシートをコピー ←いまココ
- フォームをコピー
- 初期設定&動作確認
この自作ツールでは、Google版Excelこと「スプレッドシート」を使って読者やメルマガを管理します。
完成版のスプレッドシートがありますので、コピーして使ってください。
- STEP1コピーを作成
ココをクリックして画面が出たら[コピーを作成]をクリックします。
- STEP2名前を変更
コピーしたスプレッドシートが開くので、左上の名前部分をクリックして好きなファイル名に変更してください。
例)メルマガ配信ツール
- STEP3IDをひかえる
ブラウザのURL欄にスプレッドシートのIDが含まれています。
次のステップでこのIDが必要になるので、画像の部分(・・・/d/ココの部分/edit#・・・)をメモしておいてください。
スプレッドシートはまだ使うので、画面を残したままステップ2を進めましょう。
ステップ2:フォームをコピー
- スプレッドシートをコピー
- フォームをコピー ←いまココ
- 初期設定&動作確認
続いて、メルマガ登録や解除で使う「フォーム」を用意します。
こちらも完成版のフォームがあるので、コピーして使ってください。
- STEP1コピーを作成
- STEP2名前を変更
コピーしたフォームが開くので、左上の名前部分をクリックして好きなファイル名に変更してください。
- STEP3スプレッドシートとフォームを紐づける
コピーしたスプレッドシートとフォームはまだ他人同士なので、顔見知りとなるよう両者を紐づける必要があります。
3つのフォームで次のように操作してください。
▼右上の3点 → スクリプトエディタ をクリックします。
▼次のような画面が出るので、ステップ1でメモしておいた「スプレッドシートのID」を、2行目の「書き換える部分」にコピペして 保存ボタン(フロッピーアイコン)をクリックします。
▼こんな感じになればOKです。(図は例)
3つのフォームとも同じIDで書き換えてください。
- STEP4フォームのプログラムを有効化
フォームにプログラムが埋め込まれていますが、まだOFFの状態なので、プログラムが動くようONにします。
3つのフォームで次のように操作してください。
▼左側の 目ざまし時計アイコン をクリックします。
▼[トリガーを追加]をクリックします。
▼「イベントの種類を選択」で フォーム送信時 を選んで 保存 をクリックします。
▼本当にONにして良いか?の確認が出ますので、図のようにどんどん進んでください。
▼
▼
▼
▼最後にこのような画面になればOKです。
3つともトリガー追加ができたら、プログラムの書いてある画面は閉じて大丈夫です。
- STEP5フォームを公開
これで3つのフォームの準備ができたので、誰でも見れるように公開しましょう。
▼まずは登録フォームの画面で[送信]をクリックします。
▼送信方法で リンクアイコン を選んで [コピー] をクリックします。
これでフォーム画面のURLを取得できます。▼ブラウザで新しいタブを開いて、コピーしたURLを貼り付けて開いてみましょう。
すると作成したフォームが表示されます。このページをSNSやブログで紹介することで読者を増やしていくことになります。
解除フォーム・アドレス変更フォームも、同じ操作でフォーム画面を公開できます。
ステップ3:初期設定&動作確認
- スプレッドシートをコピー
- フォームをコピー
- 初期設定&動作確認 ←いまココ
ここまでで必要な部品はそろったので、仕上げに一通りの設定を行います。
- STEP1メルマガの全般設定
ステップ1で用意したスプレッドシートで 設定シート を開きます。
ここでメルマガ全般の設定ができるので、はじめから書いてある記入例を参考に設定してみてください。
- STEP2メルマガ配信時刻の設定
全般的な設定は「設定シート」でできますが、メルマガの配信時刻(毎日○時ころに配信)だけは別の画面で設定します。
▼拡張機能 → Apps Script とクリックします。
▼プログラムの画面が開くので、左側の 目ざまし時計アイコン をクリックします。
▼トリガーを追加 をクリックします。
▼次のように入力して [保存] をクリックします。
① イベントのソースを選択 時間主導型 ② 時間ベースのトリガーのタイプを選択 日付ベースのタイマー ③ 時刻を選択 好きな時間帯 ▼「本当にOKか」をいろいろ訊かれるので、フォームのときと同様にOKでどんどん進んでください。
▼
▼
▼
▼トリガーが作成されました。これで毎日決まった時間帯にステップメールが配信されます。
もし配信時刻を変えたい場合は、この画面を開いてトリガーを編集してください。
- STEP3動作テスト
これで一通りの設定が済んだので、次の順番で動作確認をしてみてください。
動作テスト2~4は翌日になってから行います。動作テスト1:登録フォーム ・登録フォームからメールアドレスを送信すると、スプレッドシートの「読者一覧」シートに登録される
(ご自身のメールアドレスを送信してみて下さい)
・お知らせメールが届くか動作テスト2:ステップメール配信 ・読者登録の翌日になったら、ステップメール1通目が届くか
※「ステップメール」シートに1通目・2通目のサンプルが登録されています動作テスト3:アドレス変更フォーム ・アドレス変更フォームでちゃんとアドレス変更されるか
※スプレッドシートの「読者一覧」シートでアドレスが書き換わっているか
・お知らせメールが届くか動作テスト4:解除フォーム ・解除フォームでちゃんと解除されるか
※スプレッドシートの「読者一覧」シートで「解除日時・同意拒否日時」に日付が入っているか
・お知らせメールが届くか動作テストが終わったらツールは完成です。
ここまでおつかれさまでした!
ここでは紹介しきれませんでしたが、ツールの詳しい使い方はスプレッドシートの「★使い方」シートに書いてあるのでご一読ください。
ツールは完成!でもメルマガ配信はここからが本番
ここまで大変だったかと思いますが、まだツールが用意できたに過ぎません。
肝心のステップメールは空っぽなので、がんばって「ステップメール」シートに書いていってください。
また登録フォームを宣伝して読者も集めないといけません。
これでようやくスタート地点ですが、ツールの料金はかからないので、ゆっくり時間をかけつつメルマガ配信に挑戦してみてくださいね!
最後に、メルマガ配信のNG行為やルールなどが法律で定められていますので、こちらの記事をご紹介させていただきます。
コメント
とても参考になる記事をありがとうございます。
記事の通りに作ってみたのですが、ステップメールのシートに
文章を入れて登録したのですが、
登録時に送られてくる文章は、設定の記述が即時配信されるのですが
ステップメールに関しては
「メールタイトル」
「メール本文」
という何も記載されない状態で届いてしまいます。
ステップメールのサンプル2行は、行を削除してはいけないのでしょうか?
また、
ステップメール追加日時
ステップメール削除日時
には、日付を入れる必要があるのでしょうか?
よろしくお願いします。
記事をご覧いただきありがとうございます。
>ステップメールのサンプル2行は、行を削除してはいけないのでしょうか?
サンプル2行(2行目・3行目)は削除いただいて問題ありません。
ただし1行目のヘッダ行は必要なので
1行目:ヘッダ行
2行目:ステップメール1通目(A2にタイトル入力、B2に本文入力)
3行目:ステップメール2通目(A3にタイトル入力、B3に本文入力)
4行目・・・
という形で入力してみていただけますでしょうか。
上記でうまく行かない場合は、お手数ですが再度コメントでお知らせくださいm(_ _)m
>ステップメール追加日時
>ステップメール削除日時
こちらは一通りステップメールを作って配信開始したあとに、あとから途中にステップメールを追加したり削除したりする場合に使用するセルになります。
ですので始めのうちは基本的に未入力でOKです。
詳しくは ★使い方 シートの「こんなときは」をご一読ください。
無事に翌日の配信がされました!
ありがとうございます。
>ですので始めのうちは基本的に未入力でOKです。
理解できました!
ステップメールを自作できないか探していると、こちらを発見しました。
私はプログラミングは初心者ですが、GASは少し触ったことがあります。
とても助かります。感謝です。
初歩的な事で恐縮なのですが、1つ教えてください。
ステップメールを1週間に1回ペースで配信したいと考えています。
その場合はこちらのコードのトリガーを週に一回の起動にすれば、一回ずつ順番に動作するのでしょうか?
よろしくお願いします。
参考にしていただきありがとうございます。
ご紹介している自作ツールは毎日配信が前提のため、すみませんがトリガーを週イチ起動にしてもご希望のようにはなりませんm(_ _)m
別の方法として、「ステップ1:スプレッドシートをコピー」で登場するスプレッドシートにて、配信メールを書き溜めるシート(ステップメールsheet)に6行おきに登録してみていただけないでしょうか。
仕組みとしては、ステップメールのシートに書かれた配信内容(タイトルや本文)を上から順に1日目の配信、2日目の配信、3日目の配信・・・として扱うので、たとえば
シート2行目(1日目用):1通目のメルマガを登録
シート3行目(2日目用):空白
シート4行目(3日目用):空白
シート5行目(4日目用):空白
シート6行目(5日目用):空白
シート7行目(6日目用):空白
シート8行目(7日目用):空白
シート9行目(8日目用):2通目のメルマガを登録
と登録いただければ週イチでの配信ができるかと思います。
ただ実際にテストしたことがなく、すみませんがご自身を読者として上記を一度お試しいただいて、思ったようにならなければまたお知らせいただけないでしょうか。
(うまくいったらお知らせは不要です!)