開業手続き

起業でもOK。再就職手当を受け取れる条件とは【タイミングが重要】

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

独立しようと会社を辞めたものの、失業手当をもらいながら少しずつ準備しようと思っていました。

なんて考えてるから準備が進まないんだ!と決心して、2ヶ月ほど通ったハローワークに「起業しました」とお別れを言いに行きました。

そしたら、意外なことに「再就職手当が受け取れます」とのこと。

あれ?自己都合だから3ヶ月の給付制限があるのでは?と思ったら、失業手当と再就職手当はルールが別だったんですね。

そこで今回は、起業でも「再就職手当」を受け取れる条件を解説します

ぼくの場合は50万円ほど受け取れたので、もらい損ねないよう3分ほどお付き合いください。


失業手当とは別物!再就職手当を受け取る8つの条件

1.就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
2.1年を超えて勤務することが確実であると認められること
3.待期満了後の就職であること
4.離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること
5.離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引等の状況からみて、離職前の事業主と密接な関係にある事業主も含みます。)
6.就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
7.受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
8.原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用であること

引用:Q36 再就職手当の受給要件を教えてください。|厚生労働省

再就職手当は、上記の8つをすべて満たすと受け取ることができます。

そしてちょっと意外ですが、就職だけでなく「起業」の場合でも対象になります。

ただし、次のポイントに注意してください。

ポイント1:待機期間 + 1ヶ月 を過ぎてから申請する

自己都合退職の場合、待機期間(7日間)+ 1ヶ月 を過ぎてから申請しましょう。(条件4)

失業手当(基本手当)は 待機期間 + 3ヶ月が経たないともらえませんが、再就職手当は3ヶ月ではなく1ヶ月待てばOKです。

ポイント2:前職の仕事を請けてはいけない

会社を辞めたものの、今後は社員ではなく個人事業主として引き続き前職から仕事をもらうとNGです。(条件5)

会社の制度で 社員 → 個人事業主 に形態が変わった場合なんかも、文脈からするとダメそうですね。

ポイント3:直近3年のあいだに再就職手当を受け取っていない

ここ3年以内に再就職手当を受け取っていると対象外です。(条件6)

再就職手当の申請に必要な4つの書類

再就職手当をハローワークで申請するには、次の3つの書類が必要です。

  1. 雇用保険受給資格者証
  2. 失業認定申告書
  3. 開業届(控え)
  4. 再就職手当支給申請書

1・2はハローワークにいつも持っていく常連書類なので、実質は3・4を用意することになります。

ここからは、ぼくの実体験をもとに書き方を解説します。

開業届 の書き方

就職証明の代わりに、起業したことを証明する「開業届」が必要です。

最寄りの税務署に置いてありますが、事前に無料アプリで作った方が楽なのでオススメです。

具体的には 【実体験】起業から1ヶ月ルールの「開業届」を開業前に提出してきた話 をご覧ください。

書くときの注意点として、必ず開業日を「待機期間(7日間)+ 1ヶ月」を過ぎた日にしましょう。(開業日は自分で決められます)

開業届ができたら、ハローワークに行く前に税務署に提出して「控え」をもらえるので、それを持っていきましょう。

再就職手当支給申請書 の書き方

申請書はハローワークにあるので、受付で「起業することにしたので手続きをしたい」旨を伝えれば受け取れると思います。

窓口の方が書き方を教えてくれたので、その場で一緒に書きました。

前述の「8つの条件」をクリアしていることを窓口の方と確認したら、就職先の情報を記入します。

「本人が書く欄」と「会社(就職先)が書く欄」があるのですが、起業の場合はどちらの欄も自分で記入するので、その場で書き上がります。

自分で自分を採用という?な内容でしたが、「これで再就職手当の申請OKです」と受理されました。

まとめ

  • 起業しても「再就職手当」は申請できる
  • 待機期間+1ヶ月 以降の起業が条件
  • 起業を証明するために「開業届」を出しておこう

ちなみに再就職手当ってどれくらい受け取れるのかというと、基本手当(失業手当)でもらえる予定だった残りの金額の70%が最大になります。

「それなら3ヶ月以上待って基本手当もらった方がお得では?」という考えもあるかもですが

  • 4週間ごとにハローワークに通って求職活動が必要
  • 個人事業主の節税ワザが使えない

といったデメリットがあります。

そしてなにより、起業すると決めたのなら早く活動に専念した方がよいと思います。

とはいえ、今まで長年払ってきた雇用保険料はちゃんと回収しつつ、破産しないよう独立人生をスタートしましょう

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. トン より:

    初めまして!私も今回退職し始めてハローワークに行って手続きしてきました。派遣やら次の仕事を探してて、手当を受けた方が得なのかどうか…事業立ち上げもこの機会に!等々色んな事を考えて迷いに迷っていたところにこのサイトをたまたま見つけました。分かりやすく、本当に勉強させていただきました。私も同じ様に手当もらい、立ち上げようと決めました。何かの縁ですね。ありがとうございます!

    • 広瀬 潤一 広瀬 潤一 より:

      はじめまして^^ コメントありがとうございます。
      僕も手続きがよく分からなかったので、退職してから色々しらべつつ進めてきましたが、その体験記がお役に立てたのなら嬉しいです。
      お互いがんばっていきましょう!

  2. まゆみ より:

    はじめましてして。体験記読ませていただきました。

    教えていただきたいのですが…。
    私の場合は定年退職でしたので給付制限はありません。7日間待機の後、説明会にも出席し、初回認定日が11/6です。

    個人事業主として自宅にてメイクサロン開業予定です。11/6当日に開業届けを出してその足でハローワークに報告に行こうかと考えています。再就職手当の受給対象になりますでしょうか?

    また、受注契約書があるわけではなく、1年以上働くことをどう証明すればいいのでしょう。

    お手数ですが、宜しくお願いします。

    • 広瀬 潤一 広瀬 潤一 より:

      まゆみさま
      コメントありがとうございます。
      定年退職後の開業とのことで、おめでとうございます^^

      再就職手当については、会社都合退職であれば7日間待機後の開業で受給要件を満たすと読み取れます。
      (僕は社労士でも何でもないのでイチ見解ですが…)
      ただ、定年退職=会社都合とならないケースもあるようで、ご注意ください。

      1年以上の勤務については、僕の場合は「起業なので当然1年以上されますよね?」と訊かれて「はい」と答えた程度で、本人の意思で証明という感じでした。

      あとこちらの記事もご参考になるかと思います。(僕も勉強になりました)
      https://rougo-ansin.jp/teinen-shitsugyouhoken/
      https://manetatsu.com/2019/09/206473/

  3. まゆみ より:

    広瀬さん

    返信、参考記事どうもありがとうございました。
    ハローワークで相談してみます。
    ありがとうございました。

  4. あき より:

    初めまして!体験記事読ませていただきました。
    ご質問、教えて頂きたいのですが私は1/31で自己退職をします。
    退職理由は個人で飲食店をするためです。
    飲食店開業オープンは3月26日前後を考えております。
    この場合再就職手当を受け取るにはどのように進めればよいでしょうか?

    他のサイト記事には個人事業主は再就職手当がもらえない等記事もあったので不安です。

    今の会社には13年勤務しておりました。
    年齢は36歳です。

    なにぶんこの手のことは不慣れで素人ですので教えて頂きたいです。
    宜しくお願いします。

    • 広瀬 潤一 広瀬 潤一 より:

      あき さま
      コメントありがとうございます。

      現行ルールでは、再就職ではなく個人事業主になる場合でも
      待機期間(7日間)+ 1ヶ月
      以降であれば、再就職手当の申請が可能かと思います。

      あきさまのケースだと、ざっくり
      1/31:退職
      2/10頃:職場より離職票が届くかと思いますので、それを持ってハローワークで手続き
      2/17頃:待機期間が終了
      3/17頃以降:再就職手当の申請
      となるかと思います。
      ※離職票が届くタイミングや、ハローワークの初回手続きのタイミングで日付が変動します

      また「個人事業主は再就職手当がもらえない」については、どうやら「事業主としての自分」が「従業員としての自分」を採用するから再就職扱いと理解しています^^;

      その他、細かい流れはこちらの記事がご参考になりそうです。

      ▼個人事業主として再就職手当てをもらう手順7つ|注意点4つ
      https://mid-works.com/columns/freelance-financial-knowledge/tax/1073069#num_5895415

      いろいろ書きましたが、ハローワークで訊くのが1番確実ですので、ご心配でしたら相談なさってみてください。
      独立開業、がんばってください!

  5. あき より:

    早速のご返信有難うございます。
    もう一つ教えて頂きたいのですが、ハローワークに行った際、初日に個人事業をする旨を正直に伝えても大丈夫でしょうか?

    初めは就職を考えてるフリをして、いろいろ考えた結果事業をすることにした的なことをする必要はないのでしょうか?
    お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。

    • 広瀬 潤一 広瀬 潤一 より:

      あき さま
      >初日に個人事業をする旨を正直に伝えても大丈夫でしょうか?
      おそらくNGな気がします。
      根拠となる情報が示せないので持論としてお伝えしますが、初めから堂々と「お店を開きます!」だと、では今日からさっそく開店に向けてがんばってください!となるかと思います。
      なぜなら、ハローワークは職業安定所という名の通り、職に困っている人をサポートする機関だからです。
      個人事業で開店する気マンマンなら、ハローワークに来る必要はないですよね?となるかなと思いました。

      一方、まだ就職か個人事業か迷っている状態であればOKなのは、実際にハローワークに訊いたので確証があります。

  6. あき より:

    わかりやすいご説明ご丁寧にありがとう御座いました。

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